備考 |
平成28年度から30年度にかけて実施した確認調査報告を収録。二ノ門トレンチ4では、二ノ門の礎石・階段・排水溝が検出された。また幕末の落城時の焼土層も検出され、礎石には炭化した柱根も遺存している。遺物も二次被熱を受けており、瓦は燻しが剥落し赤褐色を呈し、陶器の釉薬も変質している。出丸トレンチ1では土塀基礎遺構が検出され、基礎幅90cm程度の控え柱をもたない土塀であったと推察される。また出丸トレンチ2や中ノ門谷部トレンチ5では、埋没石垣も検出された。遺物では中ノ門谷部トレンチ3においては古墳時代の遺物が多く出土し、城山東麓に古墳時代集落の存在が想定できる。また軒平瓦凹面に水切突起をもつ上向五葉文が出土し、元和8年の浅井神社の棟札の記述を見ても大坂から瓦技術を求めていることが判明した。 |